「理想」と「現実」

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    「真実」と「現実」のどちらを取るか。そんな問いかけがあったらどう答えましょう。

    国際社会の中では「現実」を取る国が、各国の調整役や落とし所を見つけるのがうまいそうです。

    イギリス人がうまいのは迷うことなく後者を取るからで、二ュートンを始め自然科学や数学に昔から強いのもそういう性格からきているとか。結論を出すまでが辛抱強い。

    この話、日本のエネルギー問題にもあてはまるのではないでしょうか。

    「真実」を「理想」に置き換えて、「理想」と「現実」の狭間に立っているとしたら、どちらを取るか。

    ゼロリスクが保障されない限り、原発の再稼働は許されないという考え。

    それから、もう一方では、今ある技術を駆使して様々な問題を乗り越えようという考え。

    私は後者の生き方が好きです。


    これからのエネルギー&原発の未来

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      《各電源の特性を比較してみよう》

      管理の問題

      生産・運用・廃棄
       

       

      どの発電源にも求められるもの

      1.コストパフォーマンス

      2.電気の安定供給

      3.安全確保・環境保護

      4.途切れのない技術継承

       

      火力発電

      利点)こまめな出力調整が可能。他の発電源と需要との調整役を担う

         海への温排水など環境への排熱量は原発に比べて少ない

      欠点)時局により原材料の価格が変動しやすい

         化石燃料の枯渇の恐れ

         大気中へのCO2排出

       

      原発

      利点)時局に左右されないコストパフォーマンスの高さ

         24時間、安定した電気供給が可能(ベースロード電源の主力となりえる)

      欠点)大量の海への温排水による「磯焼け」など従来の生態系への影響

         使用済み核燃料の処理問題

         

      再生可能エネルギー

      利点)発電時の環境への影響が少ない

      欠点)新しい技術には開発費など諸費用がかさみ、電気料金が上増しされる

         天候に左右されるものは補助電力に留まざるをえない

         廃棄物処理が円滑に進むかは今後の大きな課題

         (太陽光発電のパネルにカドミウムが含まれるメーカーがあるなど)

       

       

       

      《エネルギーのベストミックス(最適な電源構成)計画の中での原発の位置づけ》

       

      原発が停止したままのリスクは、再稼働によるリスクを上回る。停止中も冷却は休み無く必要で想定外の費用がかさんでいる。慎重に審査された上での再稼働は必要だ。

      これまで私達は潤沢な電気を得るために原発のある世界を選択してきた。それは高度成長期の立役者のひとつ。私達が祝福して産まれた「神の火」。得はすれども、ことあらば捨てる。そんなことは許されない。最後まで、寿命を全うするまで、管理し利用しなければいけない。

      その後も原発のある世界を進むのか、あるいは新たな技術により離れることができるのか。耐用年数が過ぎる10年後がひとつの区切りだ。

      区切りにするためには、それまでも歩みを止めることはならない。再稼働はその礎となる。

       

      この先期待されるものとしては、原発の先にある核融合や再生可能エネルギーでは地熱発電や藻類バイオマスなどが挙げられる。

      地熱発電は一日を通して安定供給できる「ベースロード電源」になり得る。個人的に藻類バイオマスは何らかの形で実現して欲しい。

       

      新しい技術が得られれば?

      頼れるものは原発だけではない。太陽の力や風の力だけでもない。

      それぞれの欠点を補う話題やニュースは日々流されている。中でも、私が心惹かれたものをいくつかご紹介したい。

       

      《太陽の力を溜め込むマグネシウム空気電池》

      マグネシウム(ー極)と塩水と空気中の酸素(+極)で構成されるシンプルな電池。

      現在利用されている電池のおよそ10倍の電力を誇る。



       

       

      充電できない一次電池だが、生成された水酸化マグネシウムは、太陽の力を集めた太陽レーザーにより金属マグネシウムに還元することができる。

      水を加えない限り、長期間保管していても劣化がないというのも大きな魅力だ。

      このマグネシウム空気電池は、東北大学の小濱教授が開発した。

      太陽レーザーは、東工大の矢部孝教授が提唱している。うまく使えば海水中からマグネシウムを精錬することもできる。

      組み合わせればリサイクル出来る未来型の電池になりそうだ。
       

       

      いくつか関連記事へのリンクを貼っておきます。

      サイエンスZERO

      参考にさせて頂いた記事:パワー10倍!マグネシウム電池!材料は海水中にほぼ無尽蔵に存在

      防災や電気自動車との関連性:詩の小箱

       

      このマグネシウム空気電池が、12月下旬に紙製の備蓄用電池として発売されるそうです。ちょっと欲しい。個人向けとしては大容量ということながら魅力的です。

      (株)古河電池
      (2016年2月下旬追記:家庭向けに容量を抑えて場所取りがスリムになった「MgBOX slim」が新発売となりました)


       

       

       

      もうひとつ。

      こちらはそのまま転載させてください。

      《使用済み核燃料を使う次世代原子炉》

       使用済み核燃料使う次世代原子炉 日立が実用化へ

      日立製作所が使用済み核燃料を燃料に使う資源再利用型沸騰水型軽水炉(RBWR)の実用化に向けて動き出した。使用済み核燃料の有害度は天然ウラン鉱石と同程度まで減衰するのに約10万年かかるとされる。だがRBWRが実用化されれば300年程度まで短縮できるという。原子力発電にとっての課題は使用済み核燃料の処理だ。日立は処分場の面積を約4分の1まで減らすことができるとみており、開発の行方に注目が集まる。

       

      ■処分場を4分の1程度まで縮小

       

       

       RBWRは使用済み核燃料の中に含まれるプルトニウムなど有害度の高い超ウラン元素(TRU)を燃料に使うのが特徴だ。TRUは使用済み核燃料のうち数%含まれており、使用済み核燃料から取り出したTRUをRBWRに投入する。

       RBWRは炉に投入したTRUを燃焼によって約9%減らすことができる仕組み。通常の原発であるBWR2基に対し、RBWRが1基あればTRUを現状より増やすことなく、BWRを運営できるのだ。

       通常の使用済み核燃料の有害度が高い原因はTRUを含むことによる。TRUを除去できれば、使用済み核燃料が天然ウランと同程度まで減衰する期間を10万年から300年程度まで短縮できる。よって使用済み燃料の処分場を4分の1程度まで縮小できる公算だ。

       

      使用済み核燃料は原発メーカーにとっても大きな課題だ(写真は青森県六ケ所村に貯蔵中の高レベル放射性廃棄物ガラス固化体)=日本原燃提供
       

       日立はRBWRの実用化を進めるために、米3大学と原子炉の性能や安全性などの評価を開始した。2016年3月まで米マサチューセッツ工科大学(MIT)、ミシガン大学、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)とRBWRについての詳細な評価をする。

       MITとは冷却水が沸騰した際の蒸気の割合や冷却水の流量で十分に燃料棒を冷やせるかどうかを調べる。ミシガン大とは核分裂のしやすさに影響を与える中性子の挙動を探る。UCBとはRBWRから出てくる放射性廃棄物の有害度を分析する。
       

      ■開発順調なら30年代に実用化も

       

       使用済み核燃料の再処理に伴い発生する寿命の長い放射性物質は原発に伴う最も重要な課題の1つだ。政府は長期停止中の高速増殖炉もんじゅ(福井県)を改造し、こうした放射性物質TRUを燃料として使い、毒性を低くする構想をもつ。

       しかし高速増殖炉は扱いが難しい液体ナトリウムで炉心を冷却する。技術は確立しておらず、もんじゅは運転再開のめどがたっていない。一方でRBWRは既存の原発の発展型であり、水を冷却材に使う。試験炉の稼働など開発が順調に進めば、30年代の実用化が期待できる。

       東京電力福島第1原子力発電所事故をきっかけに原発を取り巻く状況は厳しくなったが、アジアを中心に原発の新設需要は増加している。日本でも九州電力の川内原発が再稼働へと一歩踏み出した。

       原発メーカーにとって原子炉の安全性向上は極めて重要だが、使用済み核燃料の問題も避けて通れない。核燃料サイクルの行方が不透明なだけに、RBWRにかかる期待は大きい。
       

      日本経済新聞 2014/9/23掲載(企業報道部 多部田俊輔)

       

         

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