薩摩川内住民説明会

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    取り急ぎ。

    10月10日に薩摩川内市であった住民説明会の要旨です。

    「川内原発・薩摩川内住民説明会要旨」

         (新規制基準適合性審査結果の住民説明会:原子力規制庁)

    ■新規制基準

    【1】東京電力福島第1原発事故からの教訓

     新規制基準づくりで最も大事なことは、福島の教訓をくみ取ること。

     地震、津波など一つのきっかけで、全ての機械が壊れないようにしなければならない。

     事故の進展を食い止められなかった。起きたらどうするのかの対策が必要。

    【2】強化した新規制基準

     重大事故の発生を防ぐための対策を強化した。

     新たに重大事故が起きた場合に備え、原子炉を止める、冷やす、放射性物質を閉じこめる対策を求めた。

    ■審査結果

    【1】重大事故の発生を防止するための対策

     1)地震・津波など自然現象への対策強化

     地盤に地震を大きくするような特性はなく、地震によって地盤が大きく沈んだり、ずれたりしないことを確認した。

     震源を特定した地震と震源を特定しない地震を想定。どのぐらいの地震に耐えないといけないのかの基準地震動を540ガルから620ガルまで引き上げた。

     津波は地震によるものと、地滑りなどによるものを組み合わせた。取水口での津波の高さの想定を2.31メートルから3.52メートルと高くした。さらに潮汐(ちょうせき)や高潮などの影響を考慮し、発電所敷地内で最大6メートルの津波を想定した。

     海水ポンプ周りに防護堤を設置。引き波対策として、海の中にせきを設ける。

     半径160キロに39火山があり、将来活動する可能性がある火山として14火山を抽出。規模や活動を評価し、火砕流が到達しないことを確認した。

     設計で対応できないカルデラ噴火の周期は約9万年で最後の発生は3万年前。噴火が発生する可能性が十分小さいことを確認した。

     火山灰の影響は桜島薩摩噴火(1万2800年前)の規模の噴火(噴火量11立方キロメートル)で、敷地内に15センチの火山灰を想定。設備内に灰が入り込み、機械に影響を及ぼさないようにフィルターを設置。発電所の送電線や交通遮断の影響を考慮した。

     洪水や台風、竜巻の組み合わせも考慮した。風速100メートルの竜巻に対応する。

     2)火災対策や電源対策など

     燃えにくい電源の使用やさまざまな種類の感知器を置き、火災の発生を防止し、早期に消火する。

     内部のタンクや配管の破損で、水浸しになり、機械が壊れないような高さに設置する。

     外部から3回線で電力供給を受ける。2回線が使えなくても途絶えない。

     非常用電源設備は一つが壊れても、もう一つで安全性が確保できる。電源の燃料は以前の3.5日分から7日分とした。

     非常用電源が両方使えなくても、電力供給が途絶えないよう、大容量空冷式発電機を一台ずつ、津波の影響を受けない場所に配備する。蓄電池の増強や複数のつなぎ込み口を確認。

    【2】重大事故の発生を想定した対策

     1)止めるための対策

     制御棒が入らなくても、蒸気を閉じこめて強制的に温度を上げて、圧力を下げる。ホウ酸水を入れて、出力を下げる。

     2)冷やすための対策

     常設電動ポンプなどさまざまな水を入れる系統ができている。ポンプが使えなくても、水を入れやすくするため圧力を下げる弁を手動で動かせる。

     移動式大容量ポンプ車で、海から水が取れなくなっても冷やせる。

     原子炉に水を入れられなくても、蒸気発生器への注水で間接的に冷やす。

     3)閉じこめるための対策

     格納容器の上部から水を流し、内部の放射性物質を外に出さない。

     水素を小規模に燃焼させる装置を設置。

     4)放射性物質の拡散を抑えるための対策

     強力な水圧の放水砲を設置、水をまいて防ぐ。

     5)ソフト対策

     所長を本部長とする発電所対策本部を設置し、本部長の代行者を決める。最低52人の要員を確保し、260人が緊急参集する体制を組む。外部からの支援を得られない場合、自力で事故収束活動を実施する。

     手順をあらかじめ準備。訓練を受けて、夜間や悪天候でも活動できる。通信手段を確保。

     事故時には最大100人収容する緊急時対策所が地震、津波に耐えられる。内外との通信手段を確保し、専用の電源設備や7日分の食料を備える。

     福島の教訓は、絶えずより一層の安全追求をすること。大規模な災害、故意の航空機の衝突やテロリズムに対策をしても、どういうことになるか分からない。どんなことでも食い止められるわけではないが、厳しい状況でも放射性物質の放出をできるだけ低減するためにできることをする手順を求めている。

     ■結論

     新規制基準に適合していると認められる。

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    転載元:南日本新聞朝刊

    ※原子力規制委員会は9月10日に再稼働の前提となる新規制基準を満たしたとする審査書を原発で初めて決定した。

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    原発を経済面からみた場合

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      今年度の中間経常利益が発表されました。大手10社のうち、北海道電力と九州電力をのぞく8社が黒字でした。

      夏の天候不順で、一息ついたようです。

      もっと料金は下げるべき?
       

      震災後に電気料金制度が見直され、それまで「今後1年間」に見込まれるコスト(原価)をもとに料金を算定して値上げが認可されていたものが「今後3年間」をもとに算定する方式に変更されました。多方面のコスト削減の努力目標というべきでしょうか。眠っている原発を早めに稼働すれば費用は下がる。それも見越して算定されました。

      詳しい内容は下記のリンク先の記事へ。

      原発再稼働しなければ、電気料金はもっと上がる【アドラ・シンポ関係】
                                     澤昭裕氏筆

      http://agora-web.jp/archives/1606975.html

      (リンク先からの転載)


       

      再稼働すれば、電気料金が下がるのではなくて、近い内に再稼働されることを前提に今の価格がなんとか維持されている。このまま再稼働しなければ、なお値上げされる状況は避けられなくなる。

      もうひとつこの表から読み取れることは、会社への負担は既に重くなっているということです。川内原発1、2号機は2013年7月、玄海原発3、4号機は2013年12月再稼働予定でした。おそらく2012年度の向こう3年の間に再稼働があっての料金値上げ率表と推測されます。九州はかなり抑えられて約9%の値上げ率に留まりました。実際は再稼働されていないのですから、妥当な上昇率はここに書かれている35%程度だったとみていいでしょう。会社の力としてはかなり疲弊しているはずです。

      実際、九電は震災後毎年大幅な赤字です(末尾ご参照)。今年度もこのままだとそれに倣いそうです。これ以上の積み重ねをなくすためにも、安全が確保された原発の再稼働は必要です。

      原発依存がもともと高かった地方は北海道や九州、四国、関西でしょうか。
       

      東京電力は2013年度から4ケタの黒字に転じていることでそれはそれで非難されています。この夏の気候の恩恵以外にも、燃料費調節制度に基づく電気料金収入単価の上昇や火力設備の効率化があってとのことです。

      「自由化にむけて、電気料金の再値上げは避けたい。コスト削減をどこまでできるかを見極めたい」

      13年度のコスト削減実績8200億円のうち1800億円ほどが修繕工事の繰り延べによるとのことでした。その後も修繕費の先送りという不安定要素含みの黒字なので黒字定着とはいえず、綱渡りといった東電の広瀬社長の言葉でした。

      ◯北海道電力は11月1日から電気料金を値上げし、九電は川内原発の再稼働による収支改善を目指す。

       九電の連結経常利益 実績および予想 (10月29日現在)

       12/3期 経常利益  会社実績     -213,534百万円

       13/3期 経常利益  会社実績     -331,206百万円

       14/3期 経常利益  会社実績     -131,449百万円

       15/3期 経常利益  コンセンサス   -63,775百万円

      東電の連結経常利益の推移(2013年度末現在)(単位:億円)
       2006年度  4,412
       2007年度    331
       2008年度   ▲376
       2009年度  2,043
       2010年度  3,176
       2011年度 ▲4,004
       2012年度 ▲3,269
       2013年度  1,014
       

      ◯東電の単独経常利益の推移(クリックで拡大します)
       

           


       


      原発を経済面からみた場合(補足)

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        連結経常利益の赤字が続くと自己資本比率の低下につながり、資金調達が出来にくくなってしまう。

        利益確保は電気の安定供給だけでなく、安全対策や次の技術開発への投資、発電源の多様化のために必要な送電線の強化にも必要。


        再稼働にまつわるあれこれ

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          明日は大寒ですね。

          遅くなりました。元旦の記事からの2本続けての転載です。




          《九電社長の年頭インタビュー》

           九電電力の瓜生道明社長(65)は31日までに共同通信などのインタビューに応じ、玄海原発(佐賀県玄海町)の使用済み核燃料について、特殊容器で保管する「乾式貯蔵」への移行を検討していると明らかにした。現在、水を張った冷却プールで貯蔵しているが、再稼働した場合、プールが3年で満杯になる可能性があるため。

           東京電力福島第1原発事故では、津波で電源を失い、余熱を持った使用済み核燃料を冷やすプールが機能しなくなったが、外気で冷やす乾式貯蔵の容器は問題がなかったとされる。瓜生社長は「リスクの少ない貯蔵方式。保管にどれくらいのスペースが必要かなどの検討を進めている」と述べた。

           2015年は、川内原発の再稼働に向けた取り組みを着実に進めていくと説明。「福島のような事故を二度と起こさないように安全対策を徹底させている。長く止まっていたのでしっかり総点検して再稼働に備えたい」と語った。

           また、16年にも電力小売りが全面自由化されることには「地域独占の時代は終わり、経営環境が東日本大震災以前に戻ることはない」と強調。情報通信など異業種との連携も視野に入れた今後5年間の中期経営方針を策定中とした。また、海外を含めた九州以外での電力事業の展開も検討するとした。

          南日本新聞 2015年1月1日掲載分

           

          《原子力規制委員会の審査は続く》
           

           九電は、規制委から不備を指摘され再提出を求められていた設備や機器の詳細設計を示した工事計画の補正書類提出を、1号機は昨年12月第2週まで、2号機はその2〜3週間後としていた。運転管理体制を定めた保安規定の補正書類は、2号機の工事計画と一緒に出す予定だった。

           だが、提出は遅れ、瓜生道明社長は12月24日、年内の提出断念を明らかにした。

           工事計画が認可されれば、機器の設備状況や性能を原子力規制庁が確認する使用前検査に入り、1〜2ヶ月かかる見通し。1号機を先に運転させるにしても、再稼働は早くて春以降、2号機はさらに2〜3週間ずれ込むとみられる。

           規制委の田中俊一委員長は12月20日に川内原発を視察した際、「事業者サイドのいろいろな問題もある」と語り、審査終了は未定との見解を示した。

           提出が難航している背景について瓜生社長は「規制委から申請書類の記載内容の充実などを求められた」と説明した。

           原子力規制庁関係者は、「書類は2万ページあり、作業量が響いているのではないか」と話す。「一つ直すと、(関係部分を)何カ所も直さなくてはいけないこともある。川内原発はトップバッター。なかなか『よし、これで』という状況にならないのだろう」とみる。

           再稼働に対する世論は割れており、避難計画の実効性や巨大噴火対策への不安も根強い。

           3月11日は東日本大震災と福島第1原発事故の発生から4年。4月12日には鹿児島県議会議員選挙が控える。日程に影響を与えないとは限らない。

           県内外の住民らが加わる「原発なくそう!九州川内訴訟」原告団が、九電に再稼働差し止めを求めた仮処分申請は、早ければ1月中に鹿児島地裁の決定が出る可能性もある。

           川内原発は1号機が11年5月、2号機は同9月に定期検査に入り停止。九電は新規制基準施行当日の13年7月に審査を申請した。昨年9月に審査合格となる審査書が決定され、鹿児島県知事や薩摩川内市長、各議会が11月7日までに相次いで再稼働同意を表明した。

          (雪松博明)

          南日本新聞 2015年1月1日掲載分(一部抜粋)


           

          まだこの時点から、動きのあるニュースはないですね。ここに記載されている再稼働差し止め仮処分申請に関して、「稼働しなければ、1日5億5400万円の損害になる」という九電側からの主張がありました。仮処分が認められても本訴訟で敗訴すれば、求めた側がその期間の損害を賠償する可能性があるそうです。

          再稼働するにせよ、それを止めるにせよ、行動には覚悟が伴うということのようです。
           

          審査完了が何度も先送りになってもどかしいのは確かですが、ここは科学者としての公正な立場を堅持する、田中俊一委員長に託したいです。ここまで慎重なのは、今ある原発だけでなく、頓挫中の3号機の建設も想定しての審査なのかもしれません。


          川内原発周辺住民への事故想定対策は?

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            放射性ヨウ素から身を守るための対策も始まっています。

            昨年の7月27日の記事からの転載です。

            もうひとつの柱の住民避難計画はこの時点ではまだ道半ばです。細かいところ、災害時要援護者の把握やその避難支援者の確保などは自治体や個人の協力が欠かせません。

            どちらにしろ、カルデラ噴火は九州一円300万人が瞬時に死する破局的噴火です。その分予想は早めにつきますし、あと6万年は起こらないと言われています。万一を考えることを必要としながらも、災害は原発事故だけではないのですから、その為にも日頃から地域の中の互いの連携は密にしたいものです。

            原子力発電所の重大事故時に甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の配布が27日、九州電力川内原発のある鹿児島県薩摩川内市で始まった。国は昨年、原子力災害対策指針を改定し、原発の半径5キロ圏内の住民に前もって配るようにした。これを受けた事前配布は全国で初めて。

             川内原発については、原子力規制委員会が新規制基準を満たすとする審査書案を16日にまとめ、秋にも再稼働の可能性がある。

             27日は、原発5キロ圏の4地区に住む3歳以上の住民のうち、事前の問診で副作用がないと判断された2756人分の錠剤が用意され、2420人分が配られた。五つの会場で薬剤師らが服用や保管の方法を説明し、錠剤が入った小袋を渡した。誤飲を防ぐため、小袋には氏名、服用数、3年間の使用期限を記したシールを貼った。

             錠剤は3〜12歳は1粒。13歳以上は2粒。3歳未満の乳幼児は錠剤が飲めず事前配布の対象外のため、避難先で薬剤師がシロップに混ぜて配る方針。

             原発から約3キロの寄田町新田集落の自治会長、中向幸一郎さん(64)は、家族4人で配布会場の公民館を訪れた。受け取ったヨウ素剤は、避難時に位牌(いはい)と一緒に持って行けるよう自宅の仏壇に保管した。

             気がかりなのは、事前配布されない生後4カ月の孫娘のことだ。避難の間に被曝しないか心配で、「大人だけ先に服用して、子どもを後回しにしていいのか」と戸惑いを口にする。

             50代の女性会社員は家族3人分の錠剤を受け取った。平日は車で約15分の市中心部で働いており、「仕事中に事故が起きたらどうしたらいいのか。ヨウ素剤を取りに帰れないし、肌身離さず持ち歩くわけにもいかない」と話した。

             川内原発の5キロ圏内の3歳以上の住民は4715人で、うち2千人近くは配布の前提となる問診を受けてないという。県と市は9月以降も説明会と問診を進めていく方針だ。(小池寛木、田中啓介)

            朝日新聞Web 2014年7月27日掲載分


            見えてきた再稼働

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              沖縄電力を除く大手電力9社の、今夏の電力供給と需要の見通しが発表されました。

              震災から4年。

              九州電力からは、国の電力需給検証小委員会の意見も受け、川内原発が再稼働した場合の試算が初めて発表されました。需要が高まる夏に間に合いそうなのは、厳しい審査をひとつひとつクリアしてきた成果です。

              九電からの送電のうち、補強された電源を書き出してみます。

              火力は、今だフル回転です。昨年3月のタービン落下から復旧する電源開発の松浦火力発電所2号機(長崎県、100万Kw(キロワット:時間当たり以下同))の存在が心強い。火力によって九電に卸される電力(受電)は、合計46万Kw増の234万Kwの見込みです。

              太陽光の供給力は66万Kwと昨年から倍増しています。

              それでも、もし原発が再稼働しないとなると猛暑だった場合の需要に対する供給力は、マイナス2.3%と少し足りない。突発的な停電を防ぐためには最低3%の予備率が要求されます。ここ数年続けられて来た中国電力や中部電力からの融通に頼るしかありません。

              再稼働すれば、自力で電力確保できます。一基のみで、予備率は5.1%。二基とも間に合えば10.9%と上昇します。

              ちなみに同じく原発の再稼働を想定して準備を進めている関西電力は、今年は間に合わず、単独での予備率は0.8%となっています。こうして見ると、他国のような大きな停電が震災後から今までないということは、そうはさせまいという隠された幾多の努力を思わせます。

              [九州電力2015年夏]

              2013年並みの猛暑下での電力需要予測 1643万Kw(時間当たり)

              川内は、原子力規制庁による現地での使用前検査に入っています。早ければ7月上旬に1号機の再稼働である発電が始まり、8月中に国の最終試験を受けて本格的な営業運転に入る予定です。

              審査申請から再稼働までのサイクルが長いので、記事を追っていくのもなかなか大変です。言葉が難しいので、この審査や検査はどこの段階か大まかでもいいのかもしれませんが、川内原発が先鞭をつけるなら、流れを整理するのも価値があるのかもしれません。ここで、まとめてみます。あくまで大まかなものです。ご容赦。

              〜原子力発電の再稼働手続きの流れ(カッコ内は川内原発関連日付等)〜

              「原子力規制委員会による審査」

              ●審査申請書提出(2013年7月)

              ●新規制基準に基づく審査

                ↓適合・合格(2014年9月)

              ●住民説明会:審査内容の報告(2014年10月〜)

                  

              ●工事計画の補正書審査(設備や機器の詳細設計)

              ●保安規定の補正書類審査(運転管理体制)

                ↓記載内容への要求高く提出難航(2月時点で計6万ページ弱)

              「原子力規制庁による使用前検査」

              ●現地での使用前検査(2015年3月末〜)通常1〜2ヶ月

                ↓

              「再稼働」

                  

              日本のエネルギー内での原子力の位置付けについて、私の一考察はこちらまで

              毎日のようにのぞいてくださる方から力をもらい、ここでもう一度取り上げさせてください。

              こんな細々ブログに来てくださる、ありがたいです。FUKUSHIMA50を訪問してくださる方も。感謝しています。

              新規制基準やその審査結果についてはこちら。薩摩川内市での住民説明会で、要旨が述べられています。

              原発については色々な考え方があると思います。訪れた方の考えが深まる一助になれば幸いです。


              住民避難計画の進捗状況

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                川内原発の再稼働にまつわるニュースや、原発事故を想定した対策についてまとめています。1号機の再稼働はこの夏が終わる前には叶いそうです。
                今回は、原子力災害時の被曝防止に向けて練られている対策の内、住民避難計画について焦点を当ててみます。

                防災は、不断の見直しです。整えられた事前準備の大切さ。

                遅れているとの指摘があった県内のバス事業者と県との協定も、5月の時点で概要ができました。

                乳幼児をはじめとする要援護者をいかに確実に避難させるか。ここがこの避難計画で一番肝心なところです。

                原発事故時において、半径30キロ圏内の住民一斉避難は想定していない。

                段階的に対応する。

                大体、3段階に分けられている。

                ※=避難手段がない者にはバス事業者による緊急輸送が取られる。

                一.警戒事態

                施設敷地緊急事態要援護者(災害時要援護者・安定ヨウ素剤の事前配布を受けていない者・安定ヨウ素剤の服用が不適切な者など)の輸送準備(安定ヨウ素剤:参照「甲状腺内部被曝予防策」

                二.施設敷地緊急事態 …放射線が敷地外へ出る恐れが出て来た事態

                5キロ圏内(PAZ)の住民の内、施設敷地緊急事態要援護者とその支援者を対象に避難させる()。

                三.全面緊急事態 …放射線が敷地外へ出る恐れが高まった事態

                PAZの一般住民を対象にした避難命令。この場合、避難手段は原則自家用車で30キロ圏外へ避難する()。

                5〜30キロ圏(UPZ)の住民は、屋内退避。

                UPZの住民は、屋内退避後にプラント状況や空間放射線量率等に応じて段階的に避難する。

                ※(事前準備)

                ・バスと運転手の確保

                ・事業者側の安全確保とバックアップ体制

                ・鹿児島県で事業者へ協力を要請するのは、概要では、積算被曝限度が一般公衆の年間限度の一ミリシーベルトを下回る場合となっている(自然放射線を除く)

                 (課題)

                ・万一の補償や除染対応、通信手段、燃料の確保、渋滞対策など

                 
                 

                *PAZ(Precautionary Action Zone)=予防的防護措置を準備する地域

                予防的な防護措置とは、即時避難を実施する等、放射性物質の環境への放出前の段階からの防護措置のこと

                *UPZ(Urgent Protective Action Planning Zone)=緊急時防護措置を準備する地域

                緊急時には、事態の規模や時間的な推移に応じて、屋内退避のみならず避難等の防護措置も出来るよう準備を整える必要がある


                 


                一歩一歩確実に(川内原発関連記事)

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                  こちら鹿児島は、朝早くから蝉時雨。今日も暑くなりそうです。

                  記録を兼ねてニュースをまとめてみました。
                   

                  薩摩川内市にて

                  川内原発半径5Km圏内は安定ヨウ素剤の事前配布の必要あり

                  →今だ対象者の3割の住民(約1300人)が受けとっていない(5月末時点)

                  その必要性や副作用などへの懸念からヨウ素剤配布会へ足を運ばない人が多い

                  8月中旬から10月末にかけて市職員の戸別訪問の予定あり
                   

                  川内原発1号機は10日から原子炉を再稼働させ、13日前後には発電と送電を開始する見通しです。

                  安定ヨウ素剤の配布に関してまとめています。→「甲状腺内部被曝予防策」


                   


                  きょう1号機発送電開始(転載)

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                     九州電力は13日、再稼働した川内原発1号機(薩摩川内市)の発電と送電を14日午前9時ごろ始めると発表した。同日は出力を30%まで上げ、8月下旬ごろからフル出力運転を行う。発送電は定期検査で停止した2011年5月以来、4年3ヶ月ぶり。

                     九電は、夏場の電力供給が不足する恐れがあるため、中部電力や中国電力からの融通を受けている。1号機がフル出力運転できれば、自前で対応できる見通し。供給余力を示す予備率も、安定供給に最低限必要な3%から5.1%に改善する。

                     13日午後4時半ごろに発電用のタービンを起動。回転数を発電時と同じ毎分1800回転まで1時間半かけて上昇させた。タービンに異常が発生した場合に、流入する蒸気を遮断する装置が正常に動くか確認する検査なども実施。タービン車軸の振動が正常でバランスを取る作業が不要になり、発送電開始が当初予定の14日午後6時ごろより早まった。

                     1号機は11日に原子炉が起動して再稼働し、同日夜に核燃料の核分裂が安定する「臨界」に達した。9月上旬の営業運転開始を目指している。

                    (雪松博明)

                    南日本新聞 2015日8月14日掲載分


                     

                    安倍談話の後のNHK出演の中でも、総理から川内原発へ関しての言葉がありました。

                    今、原発がベースロード電源として選択肢の中にあることの必要性。それから、防災面からこれからも、より充実した避難計画を目指していくということ。

                    半径10Km圏内の災害時要援護者に関しては、避難手段や経路、必要なバスの確保が獲得できたそうです。

                    原料のウランは、100%輸入に頼っています。ただ西からではなく主な輸入先はオーストラリアやカナダなので、石油とは違う輸入経路を辿ることからエネルギーの安定確保につながります。

                    再稼働からの一連の流れに、ひと安心しました。鹿児島県民としてこれからも自分に出来ることを確かめていきたいです。



                     


                    安定ヨウ素剤内服ゼリーの配備決定(原発関連記事に寄せて)

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                      ♪あなたのような人がいるから

                       

                        生きてることが素晴らしくなる♪

                       

                       

                      受け継がれる業(わざ)や技術。

                      それらを丹念に描くテレビ番組のオープニングソングです。

                       

                       

                      無性に好きで休みの朝によく見ていました。

                      例えば、凍り豆腐。

                      しんと晴れた青空の下、雪面にしいた簀の子に豆腐を一枚一枚広げていく。

                      夜の間に凍らせて。

                      自然解凍で幾日か、乾燥させて出来上がり。

                       

                      大豆から、豆乳。豆腐。凍り豆腐と。

                      どこを取っても体においしい。手間隙かけた美味しさ。

                       

                      技術と知識と洗練されていく道具。

                      これらは年月を重ねれば更に深みを増し、改善されていきます。

                       

                       

                      検証を重ねること。これが大事。

                       

                      震災後、停止されていた原発の再稼働にあたり、原子力災害防止対策のひとつとしてより重要視されているのが、住民避難計画の充実です。

                      PAZ内での乳幼児の避難は、他の住民より一歩早く行うこと。

                      PAZより以遠では、避難の際の集合場所や避難所等において、乳幼児ものめる安定ヨウ素剤調製ができる体制を日頃から整えておく。事態が進み、PAZ外で避難や一時移転に伴う安定ヨウ素剤の服用指示があった時には、それに合わせて配布と服用を行う。

                       

                      この中の、安定ヨウ素剤の調製を薬剤師などが行うことによるタイムラグの可能性が以前から指摘されていました。

                      国の要請を受けて、医薬品メーカーの日医工がゼリー状タイプの製造を始めました。この9月にも配布開始となることを目指しています。以下まとめてみました。

                       

                       

                       内閣府は今秋以後、原発の半径30キロ圏に入る自治体に対し乳幼児が服用できるゼリー状の安定ヨウ素剤を順次配備すると発表した。今年度中に約30万包を各自治体に配備する。対象となる3歳未満の乳幼児は、全国で11万人余りとなる見込みだ。この中には原発5キロ圏(PAZ)内の対象者への事前配布も含まれる。

                       地方自治体では、北海道や鹿児島など原発の30キロ圏に入る21道府県と、核燃料の加工施設などがある神奈川、大阪、岡山の3府県が対象となる。

                       これまでは丸薬のみのため乳幼児は服用しづらく、避難が始まってから薬剤師がシロップ剤を調製するのを待たざるを得ない状況だった為、事故対応の課題となっていた。

                       国からの依頼を受けて日医工(富山市)が製造を始めた。国は自治体が必要量を購入できるよう財政支援する。

                       30キロ圏外の自治体でも希望があれば、来年度以降に配布を検討する。配布に合わせ、原子力規制委員会も配布と服用のガイドラインを見直す。

                       

                       

                      ヨウ化カリウム内服ゼリー16.3mg32.5mg「日医工」

                      配布が始まるゼリー状タイプの有効期限は3年。

                      生後1ヶ月までの新生児用と、生後1ヶ月から3歳までを対象にした2種類がある。

                      国等の指示に従い、1回1包を服用する。

                       

                      ヨウ化カリウム内服ゼリー13.5mg

                      (画像は生後1ヶ月までの新生児用)

                       

                      イチゴ風味。ミルクやお湯にも溶け、新生児でものめる。

                      飲み込む力が弱まった高齢者らも服用できる。

                       

                      〈効能・効果〉

                      甲状腺の内部被曝の予防と軽減

                       

                      〈使用上の注意点〉

                      溶かした後は、2時間以内に服用すること。

                      効果は服用後24時間。なるべくのむタイミングは被曝直前がよい(推奨:被曝前24〜被曝後3時間以内)

                       

                      少量のお湯かミルクに混ぜて授乳前にのませるとのみやすい。胃腸への負担も軽くて済む。

                      水のみで服用する場合は、食事が終わって30分経った頃が勧められる。

                       

                      (朝日新聞と産経新聞の13日配信の記事を参考及び一部引用させて頂きました)

                       

                       

                       

                      原発はインフラの一部です。

                      減価償却を考えれば、現実に沿って耐年年数が過ぎるまで稼働は続けるべきです。

                      問題となるのは内に「神の火」を抱えているからでしょう。

                      日本で初めて原発が動き出したのは1963年のことでした。それからもう半世紀。

                      「原発」と一口で言いましても、その間にどんどん改良は進んでいます。福島は古い第一世代の原発でした。よく言われているようにそれでも事故につながった全電源喪失は、地震の揺れではなく、津波によるものでした。同じく津波に襲われながら無事だった女川原発、福島第2原発の存在もあります。

                      世界を見渡せば、フランスは今だ「原発大国」であり、その技術提供を受けた中国は2030年までに「原発強国」を作ると今年初めに宣言しています。

                      日本も負けていません。使用済み核燃料の有害度が天然ウランと同程度まで減衰する期間は現状10万年であるところ、300年程度まで短縮するための開発が着実に進められています。国際的な協力の元、実用化までのロードマップも描かれています。

                      ベースロード電源のひとつとしての役割はまだ当分課せられるのが現状です。それに見合った対策、政策が求められています。

                       

                      新鹿児島県知事の、「不安だから原発を一旦止める」という感情論に根ざした主張。

                      「不安にとらわれた日々」と「技術の停滞」と「危険性の増大」は同じものではないでしょうか。

                      原子力発電は、稼働中の原子炉を一度止めれば少なくとも3、4年は冷やし続けなければいけません。その間の経済的損失は技術継承の不備も含めれば電力会社そのものを揺るがしかねませんし、安易に停止されれば、再稼働を心待ちに耐えていた住民の生活が再びないがしろとなります。

                       

                       

                      「決意」は人を元気づけるといいます。楽な生活、ストレスのない生活ではない。

                      進歩はまた、その国を活気づけ、より安全で豊かな生活を国民にもたらすのではないでしょうか。

                       

                       

                       

                      進取の気風ってそういうことでなかね。

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                      (追記)12/6

                      資料の修正に合わせ、加筆・添削を行いました。

                       

                      参考資料:安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(原子力規制庁)

                       

                       

                       


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